皆さんこんにちは。茨木市で会計事務所をしております、税理士の武田信央です。
今日は会社にとってとても大切な決算書についてのお話をします。
1.将来のためにも余計なことはしない
銀行に融資を申し込んでも決算書の粗探しをされて、結局は嫌な思いした挙句に高い金利レートしかもらえなかったという経
験をお持ちの経営者は沢山いらっしゃると思います。毎期目標売上を達成して一定の利益を出すことが大事なのは勿論なので
すが、なかなか経営というのは思った通りには行かないのが現実です。でも普段から気をつけておけば、いざという時に慌て
ずにすむポイントがいくつかあります。
最近中小法人の法人税実効税率が低くなり、節税とばかりに会社を複数設立するケースを見かけます。それ自体は決して悪い
ことではないのですが、経営者によってはグループ会社の資金繰りを乗り切るためにグループ会社間のお金の貸し借りをして
しまい、決算期末に子会社への貸付金残高が貸借対照表に計上されるといった事になってしまいます。
2.銀行が嫌う決算書
実はこの様な貸し借りを銀行はとても嫌がります。本来その会社のために通常の運転資金として融資しても、そのお金がグル
ープ会社へ流れる可能性が高くなるからです。特に貸し借りの残高が増えてくると、ほぼ銀行は融資をしてくれません。
同じ経営者が他のグループ会社の社長になっている場合や、株主が同じ役員である場合には日ごろから注意が必要です。
また資本関係が無い取引先でも、何年も塩漬けになっている滞留売掛金がある場合や、時価が暴落してほとんど価値のない
有価証券などもずっと資産に計上しておくことなく早め早めに対策を取っていくことが大事です。また減価償却費についても
法人は任意償却が認められていることを逆手にとって、利益のかさ上げに償却額を低く調整するといった手法などは、逆に
決算書の評価を下げることにつながります。
あと負債についてもその事業年度に確定している未払金、未払費用、未払法人税、未払消費税などは必ず決算書に計上してお
くことが基本と認識してください。
利益の有無にかかわらず、健全な決算書を作るという思いが何よりも末広がりの会社経営には欠かせません。
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