皆さんこんにちは。茨木市で会計事務所をしております、税理士の武田信央です。

 

 

今日は消費税の重要な届け出についてお話します。

 

 

 

1.課税事業者選択届

 

 

消費税には色々な種類の届出がありますが、一度税務署へ届出書を提出してしまうと継続を義務付けられるものがあります。

 

中でも特に気を付けなければならない届出についてご説明します。

 

まずは「消費税課税事業者選択届出書」です。これは消費税の納税義務がない事業者が消費税の還付を受けるといっ

 

た場合などに提出する届出書です。この届出をする事業者に多いのは輸出業者で、国内で商品を仕入れて海外へ輸出する場合

 

あとは多額の設備投資をする必要がある事業者等です。

 

ただ気を付けなくてはならないのは一旦この届出をしてしまうと2年間は継続しなければならないということです。

 

例えば当期に設備投資をして課税売上にかかる消費税よりも、その設備投資を含む課税仕入れにかかる消費税の方が多い場合

 

に還付金が発生するケースが有るのですが、翌事業年度において設備投資が無く利益がでてしまった場合には、本来納めなく

 

てもいい税金を払わなくてはならない事態になるのです。

 

 

 

2.簡易課税選択届

 

 

もう一つ注意すべき届出に「消費税簡易課税制度選択届出書」があります。消費税の計算方法には ①預かった消費税か

 

ら仕入等で支払った消費税を差し引いて納税額を計算する原則課税と、②2年前の課税売上が5000万円以下の事業者が、その

 

事業年度の課税売上に業種別に定められた率を乗じて納税額を計算する簡易課税というものがあります。この簡易課税は普段

 

から経理をする上で煩雑さがないことと、原則課税に比べて格段に納税額が低くなるケースが有るので採用する事業者が多い

 

のですが、この制度も一旦選択してしまうと2年間継続しなくてはなりません。

 

したがって当期は原則課税より有利になったとしても、翌期に多額の設備投資が有れば、その設備投資にかかる消費税を控除

 

することは出来ず本来受けることが出来たかもしれない還付金を受けることが出来ないのです。

 

なので消費税の各種届出をする場合には将来のことを慎重に考えて、最低でも2年間は通算して判断した方がいいでしょう。