こんにちは。茨木市で会計事務所をしております、税理士の武田信央です。

 

 

さて前回の続きで資本金が1億円以下の法人に適用されるお得な税制を見ていきたいと思います。

 

 

1.欠損金の繰戻し還付

 

前回欠損金の繰越控除のお話をしましたが、今度は逆に繰り越すのではなく欠損金を前期に繰り戻して過去に納めた税金を返してもらうこと

 

が出来る制度で、青色申告書である確定申告書を提出した事業年度において生じた欠損金をその事業年度開始の日前1年以内に開始した

 

事業年度に繰り戻してその事業年度にかかる法人税の還付を請求するというものです。この制度は資本金が1億円を超える法人には適用

 

されません。

 

 

2.留保金課税の免除  

 

特定の同族会社(一つの株主グループで発行済み株式数の50%以上の株式を保有している等)が利益を配当せずに内部留保を溜め込ん

 

でい場合に、通常の法人税とは別に課税留保金額に課税されるというものですが、資本金が1億円以下の法人については適用が免除さ

 

れています。

 

 

3.外形標準課税課税の適用除外  

 

法人はその事業年度の所得に対して国税である法人税のほかに地方税である事業税や都道府県民税、市町村民税などが課税されますが、

 

その中のひとつである法人事業税は、その法人がおこなう事業そのものに課税されるものなのです。これは法人は本来地方自治体から

 

色々な行サービスを受けており、そのサービスについての経費を法人が負担すべきであるとの考えに基づいて課税されるのです。

 

しかしその分担の法として所得だけを基準にするのではなく事業の規模や活動の量、すなわち人件費や賃借料、資本金等も斟酌して

 

課税するというのが外形準課税です。この制度は資本金が1億円超の法人が対象となり、資本金が1億円未満の法人には適用されま

 

せん。

 

これらの他にもいくつか適用される制度が有りますが、資本金が1億円を超えるかどうかによって税負担が大きく違ってきますので、

 

設立や増資時には慎重な検討が必要です。