今回は自分が住んでいる家を売却する時に少し贈与を使えば売却にかかる税金
の負担を無くす、或いは軽減させることが出来るので、それについて少しお話します。
1.居住用の家屋や敷地を売った時の控除
自分か住んでいる家やその敷地である土地(以下「居住用財産」といいます)を
売却した時には、その居住用財産の所有期間にかかわらず、売却したことによる
利益から3000万円が控除されます。
従って売却益が3000万円以下なら税金がかからないことになるのです。
また3000万円を超えるときにはその超えた利益に対して税金がかかります。
いくらかかるかというと、所有期間が5年以下であれば所得税と住民税込みで39%
5年を超え10年以下であれば20%、10年を超えれば利益9000万円までは
14%、それを超える部分は20%となっています。
2.3000万円控除の特例を使える要件は
この3000万円控除の特例を使うためにはいくつかの要件があります。
・居住用として住んでいた家屋を売ったものであること
・敷地についてはその家屋と一緒に譲渡していること
・売却の相手が配偶者や直系血族、生計を一にする親族等ではないこと
・住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡したこと
・売った人がその前年又は前々年の譲渡について3000万円控除の特例や
居住用財産の買替特例など一定の制度の適用を受けていないこと。
3.敷地が親のものである場合の対処法
自分が住んでいた家を売却した時にはその家に対する譲渡利益に3000万円
控除の特例を適用できることはご説明のとおりなのですが、ひとつ問題はその
家の敷地の所有者が自分以外の者であった場合です。
例えば敷地の所有者が同居していない父親であった場合には自分が住んでいる
家とその敷地を同時に売却しても、その敷地は父親からすれば住んでいないので
居住用財産には該当せず、3000万円控除特例の対象にならないのです。
長年住んでいる家屋は価値が年々下がっていくので売っても譲渡利益が出ない
ケースが結構ありますが、土地についてはそうならないケースが多いです。
というのも父が先代より相続や贈与によってもらった土地である場合などは
その取得価額と取得時期を引き継ぐので、何十年も前の安い取得価額のものを
売却すれば利益が出る可能性は高くなります。
そこでその土地を事前に子供に贈与すれば、売却時には売った子供
の居住用財産となるので3000万円控除の対象となり無税、或いは税負担を
軽減することが出来ます。
土地の時価にもよりますが、相続時精算課税を使って贈与をすれば2500万円
までは非課税なので売却時の税金対策としてはかなり有効でしょう。
ただし将来相続が発生した時は、その贈与を受けた土地は贈与時の評価額で
相続財産に足しなおさなければならないことに留意してください。
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