こんにちは。会社の節税に数多く対応しております茨木市の税理士、武田信央です。

 

今回は在庫につて知っておくべき大事な話をしてみたいと思います。

 

1.在庫を計算する理由

 

この時期、4月の初旬は3月決算法人の会社が棚卸の整理でとても忙しいと思います。

 

会社であっても個人経営であっても棚卸資産を扱っている事業者は必ず年度末に棚卸をしなければなりません。

 

事業を行ううえで利益を計算するにはその事業年度の売上から仕入れなどの経費を差し引いて計算するのですが、仕入れた商品や

 

製造した製品が年度末で売れ残っている場合はそれらの在庫を次年度の売上に対応する経費としなければなりませんので、その在

 

庫の金額を今期の仕入金額から差し引くことが必要になります。従って期末在庫の評価はその年度の損益に大きな影響を与えます

 

ので在庫の評価方法も慎重に選択すべきでしょう。

 

2.在庫の評価方法

 

在庫の評価方法には原価法低価法の二つがあります。原価法には、さらに①個別法 ②先入先出法 ③総平均法 

 

④移動平均法 ⑤最終仕入原価法 ⑥売価還元法の六通りの方法が認められており、所轄税務署への届け出により評価

 

方法を選定することが出来ます。

 

もし届を出していない場合には期末に最も近い時点で仕入れた商品等の価額をもって評価する最終仕入原価法によって行います。

 

また低価法についてですが、これは原価法によって評価した価額と年度末におけるその商品等の時価を比べ、低い方の価額を期末

 

在庫の評価額とする方法で、採用するには所轄税務署への届け出が必要です。

 

3.注意点

ここでいう時価とは年度末においてその在庫商品等を売却するとした場合に成立する値段のことです。よって期末において時価が

 

仕入原価よりも低い場合には在庫の評価額が下がりますのでその分利益が減り法人税等の負担も減ることになり有利となります。

 

ただしその評価損は翌年度にもう一度商品等の価額に加算する戻入経理をしなければなりませんので注意が必要です。