こんにちは。茨木市で会計事務所をしております、税理士の武田信央です。

 

さて今回も会社の在庫についてのお話です。

 

 

1.資産の評価損を計上できるケース

 

日本の法人税法では所有する資産について評価損を計上することは原則的に認められておりません。しかし例外として認めれる場合が有り

 

ますので知っておくと節税にもつながります。中でも一番身近なケースが「棚卸資産」の評価で、前回もお話をした期末在庫の取り扱いです。

 

期末在庫の評価は取得価額で評価する原価法と期末の時価との低い方で評価する低価法があることはお話した通りですが、これとは別に

 

産の評価損という考え方の中に、ある一定の条件に合致すると資産の評価額を引き下げることが出来ます。これを期末在庫で見てみます

 

と、①商品等が災害により著しく損傷したこと ②季節商品が売れ残り、通常の販売価額では売れないことが過去の実績から明らかである

 

こと ③性能や品質が著しく異なる新商品等の販売により、これまでの商品が型落ちや流行遅れとなるなど通常の販売方法では売れないこ

 

と ④破損、型崩れ、棚ざらし、品質変化等により、今後通常の方法では販売できなくなったこと

 

このような条件に合致した時に評価損を計上出来ることになりますが、単なる過剰生産や建値の変更などによる評価損は計上できませんの

 

で注意が必要です。

 

 

2.評価損以外の方法

 

しかし本当に市場価値がない商品等であれば、思い切って決算期末までに廃棄処分を行うのは在庫額を減らす確実な方法です。この場合

 

廃棄したことを証明できる処分リストや廃棄業者から交付される資料などを必ず保管しておきましょう。

 

廃棄処分以外にも、デッドストックを市場価額で処分セールするのもいいのではないでしょうか。不良在庫を減らすことで在庫圧縮につ

 

がり、その分の税金が安くなり、なおかつ現金が増え、会社の財務にとってはプラスになります。

 

いずれにしても自分の会社の事業形態に応じて期末在庫の評価やその準備は時間をかけて慎重に判断すべきでしょう。