皆さんこんにちは。

 

大阪の税理士、武田信央です。

 

 

前回に引き続き軽減税率の導入に伴い実施される区分記載請求書等についてご説明します。

 

 

 

1.区分記載請求書等保存方式

 

 

消費税制度において現在採用されている請求書等保存方式が令和元年101日から令和5930日までは「区

 

 

分記載請求書等保存方式」に変わり、令和5101日以降は「適格請求書等保存方式」に移行されます。

 

 

なんだか難しい言葉ばかりでとっつきにくいんですが、事業をされている方にはとても大切なことなので少しずつでも

 

 

認識を深めていきましょう。

 

 

消費税を計算する際に仕入税額控除の適用を受けるためには法律で決められた事項を記載した帳簿や請求書等の保存が

 

 

条件とされているのですが、区分記載請求書等保存方式に変わるとこれまでの条件を基本的に維持しつつ、その仕入等

 

 

が軽減税率の対象となるものか、それ以外のものかの区分を明確にするための記載事項が追加された帳簿及び請求書等

 

 

の保存が求められることになるのです。

 

 

従って従来から求められている記載事項に加えて、その仕入等が軽減税率の対象となるものである場合には、その旨を

 

 

記載するということで、そんなに難しいことでもなく10%が適用されるものと8%が適用されるものを区分して記載する

 

 

ので「区分記載請求書等」とされているわけです。

 

 

 

2.帳簿の書き方

 

 

具体的に申しますと、まず帳簿の書き方では ①仕入等をした相手の氏名又は名称 ②仕入等をした年月日 ③仕入等

 

 

をした物や受けたサービスの内容 ④仕入等により支払った金額 この4項目を必ず記載する必要があるのですが、今回

 

 

の改正で③の記載がポイントになります。その内容に加えてそれが軽減税率の対象となるものかどうか、な

 

 

る物であれば「食料品」など軽減税率の対象となることを分かりやすく明確に記載し、税率についても

 

 

8%」と記載します。それ以外の仕入等の記入欄にはその内容と税率については「10%」と記載します。

 

 

コンビニ等で飲食料品とそれ以外のものを購入したときには領収書やレシートを注意して見なければ帳簿への記入を誤

 

 

る可能性が有るの気をつけてください。

 

 

 

3.請求書等の書き方

 

 

次に請求書等の書き方ですが、必ず記載しなければならない事項として ①請求書等を発行した者の氏名又は名称 ②

 

 

消費税の課税対象となる物の販売やサービスの提供(以下「課税資産の譲渡等」といいます)を行った年月日 ③課税

 

 

資産の譲渡等にかかる物やサービスの内容 ④税率ごとに区分して計算した請求金額の合計(税込額) ⑤請求書を受

 

 

取る相手の氏名又は名称 となっているのですが、ポイントは③の内容について品名欄等に軽減税率の対象となるもの

 

 

である旨と税率が8%であることを記載すること、そして④の合計請求金額を分けて記載することです。通常請求書は

 

 

最後に請求金額の合計額が記載されていますが、その後にその内訳として10%対象の請求合計額と8%対象の請求合

 

 

計額を記載することになり、その金額は税込みで記載します。

 

 

また請求書等は1ヶ月締めで発行されることが多いと思いますが、その場合に帳簿への記載はその期間分をまとめて記載

 

 

することが出来ます。ただし軽減税率の対象となる取引とそうでない取引は必ず分けて記載する必要がありますのでご

 

 

注意ください。