赤ワイン イタリア トスカーナ州
皆さんこんにちは。今日も飲食店様の話題作りに一役買う素晴らしいワインについてお話します。
前回に続いてもう1本トスカーナ州のワインをご紹介しましょう。皆さんも一度は飲まれたことがあると思われるイタリアワイン
で、DOCG(イタリアワイン法における格付けの最上級)銘柄としてはイタリア最大の出荷量を誇るキャンティ ワインです。
少し話がワインから離れますが、世界的人気スパイ映画007シリーズの「ロシアより愛をこめて」の一場面、覚えてらっしゃる方も
多いと思いますが、イスタンブールを発ったオリエント急行の食堂車で、イギリス情報部員になりすましたロシア人スパイの男が
ジェームズボンドと交わす会話がとてもユニークでありました。舌平目にテタンジェの高級シャンパンを注文するボンドに対して
ロシア人スパイはあろうことか舌平目にキャンティの赤ワインを注文し、それが正体のばれるきっかけになってしまったのです。
当時は東西冷戦の真っ只中で、豊かなイギリス社会を高級シャンパンにたとえたのとは対照的に、物不足にあえぐ当時のソビエト
を安物のテーブルワンに見立てて皮肉った、原作者イアンフレミングの強烈なジャブといったところでしょうか。
ということでキャンティワインは大衆ワインなんだと、初めてこの映画を観た若い私の心に焼き付いたものです。
今から思えばとんだとばっちりだと思います。
さてキャンティというのはトスカーナ州のキャンティ地区という場所の名で、トスカーナ州の10%を占めると言われるくらい
広い地域なんです。
そしてトスカーナで多く栽培されるブドウ品種であるサンジョベーゼを主に使い、その地で造られているのがキャンティといわ
れるワインで、さらに安定した良質なサンジョベーゼを栽培される地区がキャンティ クラシコ地区なんです。
なので同じキャンティでも質や味わいの幅がとても広いのがキャンティワインの特徴です。
今回ご紹介するヴァリアーノ ポッジョ テオは130年の歴史を誇るピッチーニファミリーエステートが樹齢50年のサンジョベーゼ
100%で造るしっかりとした上品な味わいのワインです。そして何を隠そうこのワインの2010年ヴィンテージが、2016年12月10日
に行われたノーベル賞の晩餐会で使われたワインなんです。
にもかかわらず、1本のお値段がまたリーズナブルな価格で、ほんとに驚かされます。スパイシーな香りと素晴らしいオーク香の
風味です。
このワインはやはり肉系かチーズですね。パン粉にチーズを混ぜて作ったカツレツや、挽肉にチーズのみじん切りを混ぜた
ラビオリ、プロシュートと野菜のソテーなど、素晴らしいマリアージュを感じさせると思いますよ。
でも舌平目はやめておきましょうか(笑)
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