皆さんこんにちは。茨木市で税理士事務所をしております、税理士の武田信央です。

 

 

 

今日は意外と見落とされているケースが多い節税方法についてお話します。

 

 

 

1.年度末の固定資産を総チェックする

 

 

会社が所有している固定資産の中には現在使っていないものや、壊れて使えないものが結構有りますが、このような資産を思い

 

きって廃棄処分や売却をすることで会社の節税につながる場合があります。

 

 

固定資産は原則として一括で経費計上することは出来ず、資産ごとに決められた耐用年数に応じて減価償却をおこない毎期所定

 

の金額を損金経理していくことになるのですが、まだ減価償却が終わっていない資産、つまりまだ帳簿価額が残っている資産を

 

廃棄処分した場合には、その帳簿価額を一括で固定資産除却損として経費に計上することが可能です。

 

 

 

2.除却処理を失念して税金を過払い

 

 

また会社が資産を他に売却した場合に、売却額が帳簿価額よりも低いときはその差額が固定資産売却損として経費に計上

 

されます。

 

なので決算期末が近付けば一度除却すべき資産や売却すべき資産を確認することは、固定資産管理をおこなう上でも

 

大変重要です。

 

というのも私の経験上、新たに顧問契約をすることになった会社に固定資産台帳を見てもらい、すでに会社には存在してい

 

ない定資産をチェックしもらうと、結構除却処理が失念されている幽霊資産が出てくるケースがあるのです。こ

 

れは会社にとってとても不利なことであり、除却当時にちゃんと除却損を計上しておけば不要な税金を払わなくて済

 

んだ可能性がありますし、市町村が課税する償却資産税の申告においても、存在しないはずの固定資産に対する本来納付する

 

必要のない償却資産税を払い続けていたということにもなるのです。

 

 

 

3.資産を売れば消費税もかかる

 

 

ただ固定資産を売却した場合に注意しなくてはいけないのは、売却額が帳簿価額を上回ると固定資産売却益という益金が発生

 

することになり、節税どころか会社の利益に上乗せされて課税されます。また消費税の課税事業者である場合には、売却損が

 

出ても売却益が出ても、非課税資産以外は売却額(税抜額)が課税売上とされ、それに対して消費税がかかることになります。

 

 

 

4.処分しなくても除却処理ができるケース

 

 

あと固定資産の除却には特例的な取り扱いがあり、実際に廃棄処分をしなくても一定の条件のもとに固定資産除却損を計上でき

 

るケースがあります。

 

その条件は ①その使用を廃止し、今後通常の方法により事業の用に供する可能性がないと認められる固定資産 ②特定の製品

 

の生産のために専用されていた金型等で、その製品の生産を中止したことにより将来使用される可能性のほとんどないことが

 

その後の状況等から見て明らかなもの

 

この条件を満たす状況にある固定資産は、たとえ解撤、破砕、除却等をしていない場合であっても、その資産の帳簿価額から

 

その処分見込価額を控除した金額を除却損として損金経理することが出来るのです。廃棄するにも廃棄費用がかかる場合には

 

この方法はとても有効ですね。

 

この方法を有姿除却といいますが、上記にある条件を満たしている資産であることが客観的に分かる状況を確認できる

 

ことが重要です。

 

これは実際に除却する場合にも、その除却したことを証明する工夫が後々のトラブルを避ける重要な事項となりますので注意が

 

必要です。