皆さんこんにちは。

 

茨木市で長年税理士事務所をしております、税理士の武田信央です。

 

今回も引き続き軽減税率についてお話します。

 

 

前回までは対象となる飲食料品の内容を詳しく見てきましたが、もう一つの対象品目である新聞の内容と、経理上必要となる消

 

費税に関する帳簿の付け方や請求書等の記載の仕方についても説明したいと思います。

 

 

 

1.新聞の範囲

 

 

軽減税率の対象となる新聞の購入は、政治、経済、社会、文化等に関する掲載のある週2回以上発行される新聞の定期購読契約

 

 

に基づく譲渡にあたるものをいいます。

 

 

ここにいう「週2回以上発行される新聞」とは、通常の発行予定日が週2回以上とされている新聞をいいますので、国民の祝日

 

 

等、休刊日により週1回の発行となる週があったとしても通常の週において2回以上発行されていればそれに該当します。

 

 

また定期購読契約とは、その新聞を購読しようとする者に対して定期的に継続して供給する契約をいいます。

 

 

なのでコンビニ等における新聞の販売は定期購読契約に基づくものではありませんので軽減税率の対象にならず10%の税率が

 

 

適用されます。

 

 

当然ながらスポーツ紙、業界紙、英字紙であれ、週2回以上発行される新聞で定期購読契約に基づくものであれば対象となりま

 

 

す。

 

 

しかしインターネットで配信される、いわゆる「電子版」については軽減税率の対象にはなりません。これは電子版

 

 

が電気通信回線を介しておこなわれる役務の提供であって「新聞の譲渡」にはならないからです。

 

 

 

 

2.帳簿や請求書等の保存

 

 

さて軽減税率の対象については大体ご理解いただけたのではないでしょうか。

 

 

ここからは軽減税率の適用を受けるためのとても大切な経理関係のルールについて説明します。

 

 

ご承知の通り、消費税の課税事業者が税務署へ消費税を納めるときの計算方法は、大まかに申し上げれば売上にかかる消費税か

 

 

ら仕入や経費等にかかる消費税を差し引きして、残った金額を納めることになります。この仕入や経費等にかかる消費税を差し

 

 

引くこと「仕入税額控除」というのですが、これには厳密なルールがあり、法律で定められた事項が記載された帳簿及び請

 

 

求書等を保存していることが条件となっています。これを「請求書等保存方式」といい、現在日本の消費税制度において採

 

 

られている方式です。

 

 

しかし今回の軽減税率制度の導入に伴い、令和元年10月1日から令和5年9月30日までの間は「区分記載請求書等保存

 

 

方式」となり、令和5年10月1日以降は「適格請求書等保存方式」となります。

 

 

なんだか難しそうな言葉が沢山出てきて嫌な感じですが、とりあえず今年の10月から早速準備しないといけない「区分記載請

 

 

求書等保存方式」だけその概要を知っておいてください。

 

 

これはまったく新しい方式ではなく、現行の請求書等保存方式を基本的に維持しつつ、その仕入等が軽減税率の対象となるもの

 

 

か、それ以外のものなのか、その区分を明確にするための記載事項が追加された帳簿及び請求書等の保存と考えて頂ければ結構

 

 

です。

 

 

ではその追加された記載事項については次回詳しくお話することにいたします。