今回は贈与税がかかる対象者について少し詳しくお話をします。

 

 

1. 誰が贈与税を払うのか?

 

前回にもお話しましたが、財産の贈与を受けた場合には贈与税の申告をしてなおかつ納税を

しなければなりません。

ただ贈与をした側の人が贈与税を納めるのだと勘違いをされる方がよくおられますが、贈与税は

あくまで財産の贈与を受けた人、すなわちもらった側の人が申告と納税をすることに

なるので注意してください。

 

そしてもう一つのポイントが、贈与税は原則的に個人から財産をもらった個人が対象となり

自然人に対してのみ課税する税金となっています。

しかし例外があり、それはPTAのような代表者又は管理者の定めのある人格のない社団や財団が

個人から贈与を受けた場合や、その設立に際して財産の提供があった場合には、その人格のない

社団等を個人とみなして贈与税を課税することになっています。

 

 

 

2.もらった財産すべてに贈与税がかかるのか?

 

贈与税の仕組みを知る上で大切なことが、財産をあげた人(贈与者)と財産をもらった人(受贈者)

住所がどこにあるのかによって課税の対象になる財産の範囲が違ってくるということです。

原則として、贈与があった時点で財産をあげた人の住所が国内にある場合には、もらった人の住所が

国内であっても海外であっても、またもらった財産が国内にあるのか海外にあるのかにかかわらず

その年にもらった世界中にある財産が贈与税の対象になります。

ただしもらった人がその時点で海外に住所があり、かつ10年以内に日本国内に住所が無い場合や

日本国籍を有しない場合などのケースは日本国内にある財産のみが贈与税の対象になります。

 

逆に、財産をあげた人の住所が海外で、かつ10年以内に日本国内に住所があった人から財産をもらった

場合には、原則としてもらった人は住所が国内であろうと海外であろうとその年のもらった世界中にある

財産が贈与税の対象になります。

 

これらのケース以外にも、贈与があった時点における住所地と納税義務についての規定は複雑になって

いますので、贈与を行う時には必ず確認することをおすすめします。

 

 

 

3.もらった人以外が納税するケースも?

 

先ほどからご説明しておりますように贈与税は財産をもらった人が納めるのですが、財産をもらった

人が贈与税を払えなかった場合には、財産をあげた側にも納税義務が発生し

げた人が受贈者に代わって贈与税を払わなければならないのです。

これを「連帯納付義務」といい、贈与を行う時には財産をあげたらそれで終了ではなく、あげた側に

将来降りかかる納税肩代わりのリスクを回避するためにも、財産をもらう人の納税資金について

十分に考慮したうえで贈与をおこなうことが賢明です。